◆まったり出世・・・
結局、なんだかんだで2つの会に所属するハメになり、上野の美術館で展覧会とか百貨店なんかで企画展に出したりしているうちに、大坂府知事とか文部大臣から賞をもらった。府知事賞のほうは、ギリギリでノック知事からもらうことができず、ちょっと残念・・・昨年はちょうどテロの真っ最中に、アメリカでボストン美術館の所蔵品と共に僕の物が展示された。今年の8〜9月には、松本市美術館という所で展示されるので、暇で暇でしょうがない人は観てね。って言っても、この会報誌が出る頃には、とっくに終わってるんだろうけど。来期には、人柄が認められたのか、はたまたなんとなく籤引きで選ばれたのか、会の幹部として理事に就任することとなる。まあ、作家仲間のほとんどからすれば孫のような年齢差の青二才だけど、なんとかなるのかな・・・
◆参考にならない話・・・
とりあえず、物造りに関して、言いたいことだけ言わせてもらう。白い物は黒くないという程度の、とっても低レベルな話題。
・自分に視える所は、他人も絶対に気付く。
でも、黙ってる。鏡と同じ。
・仕事は、入れ込むほど損をする。
でも、それがイヤなら物造りなんかするな。
・相手は動く。だから、固定しちゃダメ。
追いかけてゆっくりと固める。
・努力や実力で成し得ない所は、神様の力を借りる。
いわゆる運や適当というものは、こういう場面。
◆堕としたものは飛ぶ鳥ぐらい・・・
そんなこんなで、なんだか忙しくなってきたかと思ったら、今度も訳の分からない縁で、とある病院の理事長を勤めるハメになって大忙し・・・今度は、経営者として経理や税務なんかを担当しなきゃならない立場なんだけど、ハッキリ言ってこっちの方が分かりやすくて気分的に楽。美術なんていう実体の不可解なサービス業ほど、難しいものはないよ。でも、僕はそんな曖昧模糊なものがとても好きだし、そういう遊び心もないような手合いとは、同じ空気を吸う気すら起きない。
これからの僕がどんな方向に行っちゃうのか、僕自身が一番よく分かってないけど、どうでもいいような気がする。どこで何をしようが、僕は自分にできる最高の仕事をすればいいだけだし、選択肢が無数にあれば、その中で一番スルッと通っている手を指せばいいだけ。経営なんてデザインと同じだし、デッサンが狂わなければ、人を観る目も曇らない。
目をつぶって走り抜ける過程で、この世界に、何かポロポロと気持ちのいいカケラを落とし続けてゆけるのなら、最後の最後まで、僕は、人として物を造る人間。 |