「何を撮っているの?」と聞かれると困る。なんでも撮っている。最近、アート作品や建築が多い。「アートが好きなんだ」。ようやく美大に行った意味が卒業後十年経ってわかった。アート、ファッション、建築と写す対象は異なっても、自分の中では線引きはない。プライベートでは風景が中心だが、そのプライベートの写真でも、仕事で撮る写真との間に線引きはない。
アート作品や建築を写す・・ああ、こんな居場所があったんだと思っている。スキマ的な部分なのだろう。どこにスキマがあるかわからないけど、結構あるものだ。アートやアーティストの記録の分野は、まだまだ未開拓。それに人がつくったものはとても刺激的。でも、十年後の居場所はわからないけどね。
「何を撮っているの?」の問いに「撮った写真を見てくれ!」とは答えない。それはあまりに横暴な答え。大体答えがわからないから撮っているのだし。学生みたいだけど。でも、人間関係を大切にしている。写真を通して様々な人たちに巡り会うが、なんとなくその縁で仕事がつながっていくみたい。
最近、上限を決めて絵を買う。特に好きなアーティストはない。絵だけでなく、音楽でもなんでも、このジャンルが好きというのはない。お気に入りの曲がたまたまレゲエだったという感じ。最近、建築をよく撮るけど、建築が好きとは限らない。だって、ピロティって何?って感じだし。
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