---日本伝統工芸展 「総裁賞」受賞おめでとうございます。大きな賞を受賞されたことで変わったことと、変わらないことを教えて下さい。
自分の気持ちは全く変わらぬようにと思っておりますが、この賞の重みは大きく、認めて頂きましたことに深く感謝致しています。
---受賞作「初雪の朝」は富山での実体験をもとに表現されたのでしょうか。
ここ城端(富山県)の山々に初雪が舞おり一度必ず消えます。次に山々に雪が降る時は一度目の所より少し下がった所までおりてきます。やがてはじめて里に雪が降りますと一面に別の世界となり、厳粛な光、清純な空気に包まれます。初冬の時間の流れ、雪山の稜線、雪間に見えるすっきりとした青空、枝々に均等に積もる雪を表現しました。
---イメージを着物におりあげていく過程ではどのような作業をされるのですか。(スケッチををしたり写真をとったりするのでしょうか)
山の稜線のスケッチをしました。イメージに近付けるための技術として、経縞に経絣、そして緯総絣にしています。
--長く制作活動を続けてこられた原動力は何ですか。
もの作りをする人にとって作らないということは、自分が自分でなくなるということで、私にとっては生きるということと、もの作りは一緒のことと考えています。続けてきてよかった、今本当にうれしく思っています。
---造形大学在学中はどのような学生さんでいらっしゃいましたか。
四本貴資先生や島貫昭子先生に大変お世話になりました。在学中は先生方の課題に楽しく取りくみ、よき思い出ばかりです。
---今後の目標や活動についてお教え下さい。
社団法人日本工芸会を中心に富山支部染織部会の向上と、私自身の心・技ともに研鑽を重ね努力してまいりたく思っています。
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第51回日本伝統工芸展
日本工芸会総裁賞
「紬織着物 初雪の朝」
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略歴
昭和29年 城端町に生まれる
昭和52年 東京造形大学
テキスタイルデザイン専攻卒業
四本貴資先生、島貫昭子先生
に師事する
昭和54年 郡上工芸研究所卒業 重要無形文化財保持者 宗広力三先生に師事する 平成16年 日本工芸会正会員に 認定される
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