学生時代について
私はいまだにひねくれ者だが、学生時代は今よりもっと、かりかりしていた。彫刻のコースにいた私だったが、アニメの木船徳光先生は受講資格のない私にも、熱心に指導してくださった。学校には行っていたが、カリキュラムよりむしろ「自分の作品」と呼べるものを作ることに夢中だった。今思うと、受講そっちのけだったので、もったいないことをしたとも思うが、私は焦っていたのだ。友達と、展覧会をしたり、ミニコミ雑誌を作ったりしていた。今でも付き合いがある人も多い。
映像ではかわなかのぶひろ先生、波多野哲朗先生、太田曜先生、現在講師の宮崎淳先生には今も、いろいろとお世話になっている。彫刻では小川幸造先生、三木俊晴先生、船越桂先生に、お世話になった。年齢にとらわれずに「作品を作る者同士」として接してくださる。技術センターの大嶋宏治さんにもテクニカルな面をいつも優しく教えて頂いた。一般教養でお世話になった越村勲先生には今、クロアチアのアニメのことを教えていただいている。
最後に学生さんたちに
アニメ、絵描きなどはろくでなしのすることだという気持ちがある。私の場合、特に、人の手本になるような生き方はしてこなかった。以下は読み流して欲しい。自分の意思で行動することが、まず大切だと思う。自分で選んで、まず一歩踏み出す。私の場合は失敗を繰り返してやっているが、それでも、自分で始めたことなら自分で尻拭いしようとするようになる(できているかはともかく…)。 |
■辻 直之
実験アニメクリエイター 幼いころからマンガ、アニメーションを愛する。10代の後半に美術、映画に出会う。6本の短編アニメを制作している。うち3本が、木炭画のアニメ。他にイラスト、野外インスタレーション(スクラップ祭り1〜4:寺上匠との合作)など。実験的映画、映像を地域に紹介する定期上映会「ペペ馬場キネマ劇場」メンバー。04年、05年カンヌ国際映画祭ほか、国内外の映画祭、美術館、ギャラリーなどで作品を発表。 DVD「3つの雲」辻直之ダークサイドアニメーション
5作品と特典映像を収録、11月末コロムビアミュージックエンタテイメントより発売予定\2940(税込み) 7人の実験アニメクリエイターのコンピレーションDVD「シンキン
グアンドドローイング」に「闇を見つめる羽根」が収録されています。
造形大大学院生の大山慶さんの作品も収録されています。
ダゲレオ出版より\3990(税込み)で発売中。 
|