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この展覧会は2006年の秋に札幌に東京造形大、三木俊治教授を迎え、東京造形大学出身の松隈康夫氏が国松明日香氏を誘い懇談したことを契機にこの企画がスタートしたようです。結果として、札幌と東京の彫刻家で交流しながら、展覧会ができればということになりました。松隈氏と同様、札幌在住の作家、国松氏が東京芸大の同期の黒川晃彦氏に声をかけ、三木氏が東京造形大学同僚の私、井田勝己を誘って5人のメンバーで開催することになりました。会期は、2007年10月20日より11月11日までとし、場所は本郷新記念札幌彫刻美術館でした。
彫刻展には他の美術展と比べ費用がかさむことから、メセナの助成や協賛を仰ぐことになり「アートと対話実行委員会」が立ち上げられ12団体からの助成を受けることができました。其の中に東京造形大学校友会も含まれています。また、会場となった本郷新記念札幌彫刻美術館も共催を決めたことにより、ワークショップ・ギャラリートーク等も同時開催され大きな盛り上がりを見せました。
サブタイトルの――景観と象徴のハザマ――は、実行委員会の佐藤友哉氏によるコンセプトと聞いていましたが、今回の作家全員に共通していることであるが、野外に作品を設置しながら、景観と作品について長年試行錯誤を積み重ねてきたメンバーであるだけに、それなりの意味のあったと感じました。
また、メインタイトルの「かたちの復権」も参加作家の仕事ぶりを見ると納得のいくものといえました。近年、彫刻の価値観が大いに揺らぎ、また見直される様々な試みが成されて久しいですが、今回の作家達は、各々の視点で一定の形への拘りを持っている作家といえる。このことは、現代の彫刻会において、この展覧会が彫刻と「かたち」についての関係性について一石を投じるものと成ってくれることを望みます。
展覧会オープニングの日は、晩秋の美しい紅葉の中で、生まれて初めて雪虫を見ました。同時に実行委員会の皆さんの笑顔が美しく印象的でした。
最後になりましたが、この度の展覧会において、関係各位から様々な御支援を頂いたことを、この場をお借りしてお礼を申し上げます。
会 期 2007年10月20日(土)〜11月11日(日)
会 場 本郷新記念札幌彫刻美術館
主 催 アートと対話実行委員会
後 援 北海道、北海道教育委員会、札幌市
協 賛 伊藤組100年基金 東京造形大学校友会
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