|
|
  |
この秋、地上3階・地下1階の新校舎「CS PLAZA」が完成しました。
「CS PLAZA」には絵画アトリエや食堂、売店、クラブハウス等が設置される予定です。
設計は箱根のポーラ美術館を手がけた安田アトリエの安田幸一氏。
食堂の家具は22期の藤森泰司氏のデザインです。
学生に使いやすいだけでなく環境にもやさしいエコ施設としても注目の
CS PLAZA」についてお二人に話しを伺いました

PLAZAのご竣工まことにおめでとうございます。2007年より次世代のキャンパスつくりに参画させていただき、また、その第一歩として本施設が完成したことは設計者にとりまして大変な名誉でありこの上ない喜びです。これも小田理事長様、諏訪学長様をはじめとする東京造形大学の皆様の熱い思いが結実したのだと思います。
CS PLAZAは主に絵画実習室群とカフェテリアや学生自治会室などの厚生施設とのコンプレックスです。大きな吹き抜け空間を中心に絵画実習室群がレベルを変えながら螺旋状に配置され躍動感あふれるユニークな建築構成となっています。CS/Creative Spiralは大学の提唱するものづくりの理念ですが、この素晴らしい理念をそのままアトリウム空間/プラザとして具現化しました。このプラザは、造形大キャンパス全体で雨天時にも学生の集まる自由な場となり、また、緩やかなスロープで教室間を移動できる学生の動線空間であります。学生同士や学生と教員とがコミュニケーションを図れる場でもあります。さらに、白い壁は美術作品の展示や映像を映し出すことも可能で、学生の活動の発表の場など様々な使い方が考えられます。
プラザ天井には5つの三角柱状のトップライトを設け、自然光をふんだんに取り込むとともに螺旋の上昇感を増長するようなイメージを表現しています。4個のトップライトは垂直に屋根面を貫通しており、平面形状は直角三角形の相似形となっており、筒の断面方向では約6mの同じ深さに統一され、設置レベルを変えてリズミカルに配置されています。1カ所のみ斜めに設置されているトップライトは、本学創立記念日である10月20日の正午にプラザ床面に設置された三角形のステンレスパネルへ太陽光が投射するように角度と位置が調整されました。
外部の天候の変化がプラザ内部でも感じられ、特に晴天時には、青空に浮かぶ雲が流れる様子までトップライト内部のミラー壁面に映し出され、まるで青い空がトップライトの下面に降り立ったように錯覚するような効果も見られます。屋上は一部緑化しており断熱効果もあり、また太陽光発電パネルを設置しているため天気の良い日はプラザの照明のほぼ100%の消費電力をまかなうことが可能になっています。
1階西側と北側には500人余席を有するカフェテリアが設けられました。武蔵野の原生林に囲まれ深い緑の大自然の中で食事ができます。外部のテラス席も設けられ、さらに新鮮な空気も満喫できるようになっています。
安田アトリエ/安田幸一
■竹のキャンバス
建築家の安田幸一さんから、造形大の新棟/CSプラザのカフェテリアの家具の設計依頼をいただいた時、僕自身の出身校の仕事だったので、とても嬉しかったのを憶えています。どんな家具にすべきか随分悩みましたが、カフェテリアというものが、本来、単に食事やお茶を飲む場所ではなく、会話や思索にふけったりすることを受け入れてくれる空間と考えれば、今回の家具は、なおさら学生達のコミニュケーションや想像力の下地=キャンバスとして存在するのが一番いいと思いました。ゆえに、家具を単体として強く表現するのではなく、トータルで約500席集まったときの状態を想定してデザインしていきました。また、家具のメイン素材として、竹の集成材を使用しています。カフェテリアの床材にも同素材が使われていますが、通常は床材に使われることの多い素材を、テーブルの天板や椅子の座面及び背もたれに積極的に使っていくという、素材の新しい使い方を示しています。これは、造形大の実験精神にも通じていると思っています。 キャンバスとしての家具を、学生達がどんどん利用していくことによって、また新しい風景が生まれることを望んでいます。
藤森泰司アトリエ 藤森泰司(22期デザインU類専攻)
www.taiji-fujimori.com
|
|
|
|