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今井幹雄 38期デザイン学科テキスタイル専攻
ヌオーヴァ アカデミア ベッレ アルティNuova Accademia di Belle Arti / イタリア
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初めに今回の留学を応援して下さった皆様に、この場をお借りしてお礼申し上げます。ミラノに生活拠点を移し無事大学院を修了できたのは、たくさんの人の支えのお陰だと思っています。イタリアといえば陽気でのんびりしていて仕事をしない、というイメージが日本ではありますが、実はその程度の言葉では括りきれない程、多種多様な表情を持った国です、街ごとに雰囲気も料理も人柄も異なり、街と街が隣接していないため、皆自分の育った街に愛着を持ち、各々の生活を大切にしています。2年半ほど暮らしているミラノは、端から端まで頑張れば歩けるほどの小さい街で、雰囲気は東京に近い感じがします、住んでるイタリア人も、生まれも育ちもミラノという人は少なく、仕事を目的に来ている人が多いためか、イタリアの中では時間が早く流れている街です。そのため日本人にしてみれば穏やかな街ですが、地方のイタリア人にとってミラノの生活は耐え難いストレスを感じるようです。都会的でありながら小さい八百屋、魚屋などもたくさんあり、おせっかいな近所のおばさんがいて、なぜか子供の頃の日本を思い出させる街です。しかし通貨統合があり世界不況がありと、少し前のイタリアとは大きく変わり、今も変わり続けていると聞きました、それでも今日常にある人の良い温度は無くさないで欲しいと願っています。

大学院ではテキスタイルとマテリアルデザインのコースを専攻していました、ミラノは世界中から学生が集まる街で、クラスの半分以上が留学生というのも普通なのですが、通っていたNABAでは、クラスのほとんどがイタリア人で、毎日の生活が語学の勉強でもありました。造形大のテキスタイルコースとは全く異なり、織機も工房もありません、そのかわりにデザイン事務所、テキスタイル会社などと一緒にプロジェクトを進めていく授業が多く、コンセプトから結論まで順を追って構築する事をを求められました、理論的に創作するイタリアデザイン文化は、一番興味があった部分でもありますが一番苦労した事でもありました。インテリアデザイナーや建築家が講師の授業も多く、テキスタイルとマテリアルという枠の中で幅広く学べる校風はとても好きでしたが、今思えば造形大の4年間の基礎が芯になっていたからこそ、場所や環境が変わり幅広くやり始めても、専門の研究を深める事に繋がったのだと思います。デザインに対しての国民性も大きく異なり、手先では負けない日本人、口先では負けないイタリア人という感じがします、では最大の武器をどう生かそうかと考えつつも、日本人に何が足りないのかと気付かさせてくれる良い機会でもありました。逆に近い部分もたくさんあり、自国の文化、特色、良いものを必死に守ろうとする姿などは日本人を見ているようでもありました。

私は極論を言えば世界中どこに住んでいようが今まで積み重ねてきた事を続ける事は可能なのだと思っています、しかし場所が変われば感じるもの、考える事が変わり、そこから吐き出させる物もゆっくりと変わっていきます、色々な意味で『内』と『外』だった関係性も、『〜内〜外〜』のように間と流れを考えるようになりました。そんな経験が出来たことは今回の留学の一番の宝です。もう少し海外で活動を続けていこうと考えていますが、今回得た経験を生かしながら日本とも繋がっていきたいと思っています。


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