東京造形大学校友会は1977年に正式発足し、1998年東京造形大学校友会第4回総会より現在の体制(東京本部、北海道支部、東北支部、東海支部、近畿支部、中国四国支部、九州支部)となりました。 その後2000年の東北支部総会での宣言「We are ZOKEI FRIENDS」(どこにいても東京造形大学を感じている)を合い言葉に、会報「ZOKEI FRIENDS NEWS」の定期発行、各種奨学金・協賛事業等の校友会活動を行っております。 昨年2010年は、桑沢洋子生誕100年の記念すべき年にあたり、東京造形大学と桑沢デザイン研究所の卒業生達の仕事を紹介する展覧会「SO+ZO展」が東京渋谷の東急bunkamuraにて開催されました(2010年11月13日〜28日) ムーブメントとは同時多発的に起るもので同じ時期に関西では「東京造形大学校友会近畿組OB&OG展」が大阪産業創造館にて開催されました(2010年11月14日〜18日) 出品者は近畿支部会員を中心に全国からも出品希望者を募り、1期生から38期生まで25名となりました。 本展の総合指揮をとられた近畿支部長の田中秀和さん(3期―写真)にお話をうかがいました(2010年11月15日 大阪産業創造館にて) ――校友会の支部が発足して約10年となりますが、「東京造形大学校友会近畿組OB&OG展」を開催される経緯を教えて下さい 田中――2000年の近畿支部発足以降、近畿支部では年1回の支部総会を開催してきました。 約200〜300名の近畿支部会員に呼びかけ参加者は毎回10〜15名でそのうち参加メンバーも固定していきました。3回、4回と総会を重ねるうちに旧交を温めるだけではなく美大で美術を学んできたのだから、美術で社会貢献できないかというアイディアがうまれたのが約3年前になります。それからの話合いは盛り上がりましたよ。チャリティの開催・受験生の相談窓口を兼ねた展覧会・大学授業を大阪で聴くサテライト教室の開催etc‥ 理想は膨らんでいきましたが、実現するには多くの壁があったのも事実です。 ――その壁をのりこえ展覧会開催に漕ぎ着けたのは? 田中――近畿支部事務局の雪本治くん(3期-室内建築)が多摩美卒の先輩に「規模が小さくても、理想と少し違っていてもまずはやってみないとだめ」と背中を押されたことで皆原点に返りました。まずは作品をもちより展覧会をやろう!と。 ―――その後開催までの流れは順調でしたか? 田中――(笑)いやいや‥ 当初予定していた大阪の中央公会堂での展示ができなくなり、会場を大阪産業創造館に変更しました。そこは商談や企業セミナーをやるような大きな会場で出品者も決まらないうちに会場を予約してしまい不安は常にありました。 その後出品者向けに現地説明会を3回行い、皆で展覧会全体のイメージを掴もうとミーティングを重ねましたが最終的にはDM/ポスター等グラフィックを担当してくれたデザイナーの三木文昭さん(4期-GD.VD)が会場レイアウトも担当してくれました。やはり卒業して何十年も経つとそれぞれの道でプロフェッショナルになっている人も多く心強いものです ――現地説明会やメール、郵便でのやりとりのなかで出品者に意識の変化はありましたか? 田中――はじめは「出品者=ゲスト」という立場の人が多かったですが、コミュニケーションを重ねるうちに「ひとりひとりが主催者」になっていきました。夏過ぎ、9月頃にから全体にまとまり士気が高まった実感はありました。 ――遠方からの出品者も多く搬入はどのようになさったのですか 田中――私が流通関係の仕事をしているので美術運送専門業者に協力を頼みましたが、自分で搬入するため夜行バスで大阪にきて、搬入してまた夜行バスで帰っていった方もいました。また、子供に造形大の雰囲気を見せたかったんじゃないかな、子供や家族づれで搬入にきた方も多かったです。インスタレーションを組んでいた若手作家はおじさん達(先輩達)にああだこうだアドバイスされながら完成させていたのもOBOG展ならではの搬入風景でした。 ――会場を拝見しますと大型の彫刻作品が多く迫力がありますね? 田中――高島屋での個展後こちらに搬入された西村公泉さん(7期-彫刻)の仏像をはじめ、吉田穂積さん(4期-彫刻)の寅さん像、大坂一成さん(16期-彫刻)の連作‥等々大型の彫刻作品を囲むように平面作品、陶芸、椅子、写真、マンドリン・バンジョー、篆刻‥ 造形表現の幅の広さを再認識できる展示になっていると思います。 ――早くも第2回作品展へのリクエストがきているようですが、今後の展開についてお聞かせ下さい 田中――ビエナーレ(2年毎)は難しくてもトリエンナーレ(3年毎)くらいで開催していきたいとは思います。がしかし‥‥今の体制のままでは資金繰りや連絡体制など難しい部分も多くあるように思います。 同時に支部長の任を若い世代に引き継いでいきたいです。 今回支部展覧会を行い痛感したのは、卒業生にとって母校は一つで、母校を応援したい、何か美術を通して表現したいという卒業生の思いが強くあることです。 今後、東京本部、各支部で校友会会員の展覧会が開催され全国で東京造形大学卒業生の活動を目にすることができるように願っています (写真)右から 近畿支部事務局 雪本治さん(3期―室内建築) 近畿支部長 田中秀和さん(3期―写真) グラフィック・会場レイアウト担当 三木文昭さん (4期-GD.VD) 伊藤 央 12期 彫刻専攻