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群馬直美 14期 美術学科 絵画専攻
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『原寸大でありのままで一枚の葉っぱを描く。
細心の注意と最高の集中力で一枚の葉っぱを描く。』


 虫食いの跡、表面の土埃、葉脈の一本一本までありのままにテンペラで描かれた葉っぱ達。どんな葉っぱも原寸大で描くことにこだわってきた。(ZOF掲載作品も原寸大)気がつけば葉っぱと向き合い31年が過ぎ、今まで描いた数は860点をこえた。自らを『葉画家(ようがか)』、葉っぱの画家と呼ぶ群馬直美さんが葉っぱと出会ったのは東京造形大学在学中の1980年頃にさかのぼる。

 当時『世界で一番美しいもの』をつくろうと制作した意欲作は、金網でフォルムを作った女性像に高尾駅そばのお米屋さんでもらった麻袋を貼り、銅粉と瑠璃色のカシュー塗料を塗った上から数百の蛍光色の目玉が全身にはりついたオブジェだった。意気揚々とCS祭に出品。友人からは「作品をみてから眠れない(ほど素敵だ)」と評判だった。(と思っていた)その後、下宿先の軒下に作品を保管したところ、大家さんが血相をかえてとんできた。「近所のこどもが怖がって泣くので撤去してほしい」と。『わたしにとって世界で一番美しいものは、こどもが怖がって泣くものであり、友人が夜も眠れなくなるほど気持の悪いものだったのです。その事実は私を困惑させました』この出来事以降、何をみても何を作っても『これは本当に美しいのか。私の感覚はズレているのではないか』と疑う『第二の声』が聞こえるようになり制作できなくなっていった。自問自答を繰り返し制作できないまま一冬越したある日、日課として続けていたジョギングに出かけた時に多摩御陵入口付近でみかけた新緑に素直に「美しい」と思えた。『この葉っぱのように美しいと思えるものを描いたり、作ったりしていけばいい』新緑の美しさの前に『第二の声』はきこえてこなかった。葉画家としてのスタートになった

 それからは自宅とアトリエを往復するなかで出会う葉っぱを描く日々がはじまった。はじめは葉っぱに絵の具をつけてスタンプする方法で葉っぱを描いていたが、あの時の新緑の美しさは表現できず試行錯誤をつづけ22年前にテンペラ画で描く現在のスタイルに辿り着いた。以来真摯に葉っぱと向き合う作品は多くのファンを集め、現在までに4冊の著作を出版。また多くの雑誌連載、講演会やワークショップを行ってきた。そんな多忙ではあったが充実した中で昨年は癌がみつかり治療しながらの制作となった。病室に画材を持ち込み、入院前から出版が決まっていたエッセー集「言の葉、葉っぱ暦」(けやき出版)の原稿を描き続けた。抗がん剤の副作用で手がしびれて思うように描けない日々が続き弱気になりかけた時に生きる力をくれたのもやはり生命力溢れる葉っぱの姿だった。闘病中に描いたビワの作品(表紙)には『私も葉っぱも、この枯れかけたビワの花も、みんなこの世に一つしかない、命の持ち主。』と言葉を添えた。
 現在は、次の出版にむけて野菜や木の実など描くモチーフの幅も広がっているが、これからも葉っぱを描き続け、葉っぱと向かい合い過ごしていく覚悟だ。

群馬直美作品画像提供:有限会社えくてびあん


群馬直美プロフィール

葉画家(ようがか)。群馬県高崎市生まれ。
1982年東京造形大学絵画科を卒業後、ウインドー・ディスプレイ、イラストレーションなどの仕事に携わる。
大学在学中に、新緑の美しさ、葉っぱの生命力に深く癒された経験から“葉っぱ”をテーマとする創作活動に入った。1991年、より緻密な描写のできるテンペラ画と出会い、現在の作風に至る。
自然からのメッセージを汲み取りつつ、葉っぱ1枚1枚をありのまま丹念に描き上げた作品には定評があり、多くのファンを持つ。
著書に『木の葉の美術館』『木の実の宝石箱』『街路樹 葉っぱの詩』(世界文化社)『言の葉 葉っぱ暦』(けやき出版)他がある。
2014年10月1日、『群馬直美の木の葉と木の実の美術館』を世界文化社より発売予定。
公園文化WEBにて、「アートコラム」連載中。



<群馬直美>





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