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協賛団体展覧会レポート 2014アートアイランズTOKYO国際現代美術展「時の航路」の報告
東京の島々を結ぶアート航路開発委員会
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 2014年夏、各地から島に作家がやって来た。海外からはニュージーランド、アイスランド・タイ王国から4人が来日。コンセプチャル・彫刻家・絵描き・パフォーマンスなどそれぞれが特徴ある発表をしている作家たちである。日本各地からは、外国籍を持つ2人を含めて26名が参加した。参加数も、会場も多くなった。比例するように、造形大学出身の作家も多くなった。勝田徳朗、内海仁、岩崎幸之助、佐々木愛美、菅原史也、三木サチコ氏の6名である。
 会場となった大島と新島に渡るには、海か空の便を利用する。カーフェリーは就航していない。作家の多くは、リュック姿で海を渡って来る。両島とも、到着する港は、その日にならないと決定しない。その日の天候で安全に乗下船する港が左右されるのだ。大島の場合はレジデンスの波浮港会場までまだ暫くの旅が続く。 
 初めて参加した作家に島で過ごした時間を記してもらった。

6期 美術学科 絵画専攻 燗c芳樹



「アートアイランズTOKYOに参加しての雑感」

 高速バスで約2時間かけて浜松町へ行き、竹芝から高速船に乗る。東京湾航行が海外旅行の出発に似た奇妙な浮遊感に陥るのは、波や船内の強烈な冷房のせいだけではないだろう。2時間弱で伊豆大島・元町港へ到着。バスでメイン会場の元・波浮小学校まで更に約40分。会場に着いた僕は、自分ではない自分が背後に潜んでいるような気がした。日常の時空間から乖離したことの自覚だろうか。そのようにして昨年僕は大島へ4回渡航した。
 第4回アートアイランズTOKYO国際現代美術展2014〜時の航路〜は、僕が堆積させてきた美術への幻想を揺るがす本質的な課題とリスクが存在した。予想していたことだったし、それが展覧会参加の動機・意欲にもなっていた。そして、その想像を超える貴重な体験は、あらためて自分の作品制作と正面から向き合う機会となった。
 美術館やギャラリーへの作品展示は、美術という文脈のうちに凡そのマニュアルが存在し、一種の予定調和をイメージしやすいと思うが、大島と新島が会場となった本展は、作品展示のために用意されたスペースではない。増してそこへの交通手段は天候に左右され、現地制作に必要な物品の調達や機動力は大幅に制限される。展覧会事務局の対応もその環境下では限定され、各自が事務局に協力しつつ制作を進める。自分の制作だけではなく、展覧会全体の構築にも関わる、自ずとあちこちで意見が交わされる。夜の酒をつい過ごす。英会話や想定外の状況に柔軟な対応も必要となるし、食住環境も更なる快適さを目指して皆が協力して工夫する。徐々にその環境にも慣れ、寧ろこれで良いのだ、これこそが作品制作に集中できる時空間と気付く。即ち超克すべき条件が、実は本来制作に伴う当然の課題とリスクと気付く。便利な生活に甘えていたのだ。
 参加者はより良い展覧会の形成を目指す。多くのイベントも実施して自転車操業でどう見ても効率の悪い展覧会組織だが、常に今すべき何かを探し出して動く。その中から展示以外の何かが生まれてくる。それぞれがこの展覧会は一体何かと問う。作品を問い、創ることを問い、美術を問う。そして、生きることを問う。問い続ける。だから面白い。
 自然との共存の困難も知る。何度も自然災害を被災した島の人達の逞しさと笑顔を見る、そして、笑い合う。そのような展覧会だった。もう一度参加しようと思った。

8期 美術学科 絵画専攻 勝田徳朗



展覧会概要 
第4回 アートアイランズTOKYO 国際現代美術展 2014「時の航路」

会期:2014年8月18日~9月14日 
会場:伊豆大島(波浮港 元町 その他) 新島 (本村)
校友会関係の出品者: 岩崎幸之助 三木サチコ 勝田徳朗 内海仁 佐々木愛美 菅原史也  

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