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■松永 成雄 / 組織の中の設計者として 第22期 建築専攻卒
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外観パース図 現在汐留旧国鉄貨物跡地に於いて、ある本社プロジェクトが形を作ろうとしています。敷地面積約17,300平方メートル、延べ床面積約232,000平方メートル、高さ約210メートル、階数47階のこの建物は完成後、広告代理店の本社オフィスとしては六千人の社員を収容する事になります。

 私はこのプロジェクトでインテリアデザインを担当しており、いわゆる一般 のインテリアデザインという範囲だけでなく、そこで働く人の最も重要な事の一つであるワークスペース(執務空間)のデザインへも関わっています。総合建設会社としては当然建物の設計に対し責任がありますが、さらにはそこで働くワーカーの事を考えた設計を行わなくてはなりません。一日の大半の生活時間を送るワークスペースこそワーカーにとって最も大切な空間だと思っています。

 今回のプロジェクトでは、特にその事を重要に考えており、そのため建築という枠だけではなく、より深く広い知識を持つ経験豊かな専門家とのコラボレーションが必要になってきます。実際このプロジェクトでは他業種のエースの方々と?[ワーキングサロン]というコラボレーションチームを作り、21世紀初頭に完成する初めての超高層建築にふさわしいワークスペースを研究、プロポーザルしています。

 このチームのメンバーはみんなこう思っています。「これほどエースの揃ったチームはない」と。私はこんな時企業に属する設計者という立場を自覚させられます。複数の他企業のエースを何人もそろえるという事はおそらくこの物件、会社そして魅力あるクライアントがなければ出来ない事ではないかと思われます。しかもそれは単なる研究会の域に留まらず、実践も伴っているわけですから面白さも増します。

 やってみたい事、試みてみたい事が正当であれば、それは周囲からも賛同を得られ実行に移すチャンスがある、改めて組織という力を実感しています。今回のプロジェクトは建築設計もデザインパートナーとしてフランス・アメリカ両国の建築家とのコラボレーションを行っています。日仏米と8時間毎の時差を超え送られてくるデザインは常に刺激的であり、我々の五感を震わせてくれます。言葉の壁、文化の差異はギャップを生みます。しかしそのギャップが優れた空間を作っているという事実は否定できません。

 この建物は2002年10月に完成を予定しています。それは数々のコラボレーションの結晶として世界に類を見ない美しいフォルムを持つ、ワーカーのための本来の意味でのオフィスビルディングとなるでしょう。


松永氏スナップ松永成雄(まつながしげお) 
第22期 建築専攻卒 1991年3月卒業後、大林組東京本社設計本部に勤務。 現在は同本部インタースペース部に所属し、インテリアやエクステリアなど、建物と人の隙間に存在する交差点としての空間のデザインに従事する。 本プロジェクトには1996年9月から携わる。
 

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